建売住宅
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 建売住宅には、素晴らしく良い点があります。
なんと言っても、完成品を見て気に入ったら買い、気に入らなければ買わないという選択ができる点です。
一定規模の戸数で建設すれば統一されたデザインで街並みを整えることもできるでしょう。
ニーズ次第で、安全性や快適性に気を配った家になるはずです。

 ところが、実際に売られている建売住宅のイメージは少々違っているようです。
よく耳にするのが「うちは建売だから・・・」という謎の言葉。
自慢できない家だと感じている方も多いようなのです。
それは相対的に安価な家が多いという実情によるもの。

 建売住宅はなぜ安価な家が多いのでしょうか。
 それは安い家を早く売るほうが売り手にとって有利だからだと言えます。
販売業者は、銀行からお金を借り、土地を開発・入手し、建物を建て、広告を出し、現地を案内するなど、多大な労力と時間と費用を費やします。
特にお金に関しては借入により利子が発生しますので、早く売ることが増益につながります。
また、顧客が注目しないところに予算を使うより、注目されやすいところに予算を使った方が販売促進上効果的です。
そこで、例えば品質を充実させるより、部屋数が多い家が作られることになります。
建売業者に「もっと耐震性能の良い家を売ったらどうか」と尋ねたら、おそらく「その分の予算を間取りにかけた方が売れる」と答えるでしょう。
つまり、耐震等級3の3LDKより、耐震等級1の4LDKの方がより消費者に訴えやすいということなのです。
もちろん耐震等級3で4LDKの家が良いわけですが、価格が上がり、競争力が落ちてしまいます。

 建売住宅について多くの方が心配され、相談を受けることが多いのが、見えないところの手抜き工事です。
すでに完成したものを販売するのが建売住宅ですから、壁の中の断熱材や部材の接合金物などを確認することは、通常できません。
公的検査もありますが、それだけでは手抜き工事を完全に見抜けないのが現状です。
従って、真面目に適切に作られた家もあれば、そうでもない家もありますが、それらを見分けることは困難です。
そこが建売住宅を買う際の、最大のデメリットだと言えるでしょう。